「耐え忍ぶこと」「逃げずに戦うこと」に美徳を感じる日本人は多いです。
アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』第壱話『使徒、襲来』でも、主人公の碇シンジがエヴァンゲリオン初号機に乗る決断をする前、自分に言い聞かせるように「逃げちゃダメだ!」を5回も繰り返して言っています。
果たして逃げることは「悪」なのでしょうか?
私は「逃げること」は時として「勝つための手段」になりうると考えています。
退職することが「逃げ」や「悪」とされやすい理由
1.仲間意識が強すぎる村社会
退職の意思を伝えると、高い確率で引き止められます。
引き止められるときに投げつけられる言葉は、
- 辞めるなんて無責任だ
- お前が抜けて空いた穴は誰が埋めるんだ
- 転職は逃げだ
- 若者は忍耐が足りない
- ウチでダメならどこに行っても通用しない
- 逃げた人間は逃げ癖がついてダメになる
などです。「辞めると迷惑をかけてしまう」⇒「悪」という発想に行きつきやすく、辞めた後のことを心配し、退職をなかなか決断できない人が多いです。
2.和を乱すことを良しとしない風潮
日本人は、自分の主張を控え、集団の和を乱すことを避ける傾向が強いです。
- 島国という閉鎖的環境
- 災害が多い地理的要因
などにより、日本では結びつきが強い集団が生き延びやすかったという背景もあります。
日本では和を重んじる傾向があるため、協調性を重視した働き方が根付いています。「辞めることによって和を乱してしまうのではないか?」と退職を踏みとどまる人も多いです。
3.逃げるは恥とする価値観
日本人の価値観では「敗退して逃げる」ことは罪であり、恥ずかしい行為であると受け取られていた時代があります。最後まで戦うことがカッコイイという固定観念がありました。戦争の際にも「捕えられて捕虜となるより死を選ぶ」ことが望ましいと受け取られていたこともありました。
そして、今でも「逃げる」ことに罪悪感を持つ人は多いです。
さて、現代日本では、『逃げるは恥だが役に立つ』という漫画・ドラマが数年前に大ヒットしました。タイトルは、Szégyen a futás, de hasznos.(自分の戦う場所を選べ)というハンガリーのことわざが由来だそうです。「今自分がいる場所や置かれている状況にしがみつく必要は無い」「自分の得意なことが活かせる場所へ移ろう」という意味が込められています。
逃げることも選択肢の一つに加えて良いのです。
4.耐え忍ぶことを美徳とする文化
日本では「辛くても我慢強く耐えていれば、いつかは必ず報われる」と耐え忍ぶことが美徳とされており、「逃げずに立ち向かって克服する」ように教育された人も多いと思います。
日本では終身雇用制度の名残りや安定志向などから、退職・転職を「悪」と考える人もいます。
しかし、「一つの会社で定年まで勤め上げ、十分な退職金を受け取り、年金と合わせて、老後を生きていく」というモデルが通用したのは過去の話。団塊の世代までの話です。
そもそも逃げることは悪ではない
1.立ち向かえば必ず良い結果に繋がるわけではない
「逃げないで立ち向かえば良い結果に繋がる」というのは結果論でしかなく、悪い方向に転がる可能性を全く無視しています。最近では、「合わない会社で働き続けるくらいなら、辞めて転職したほうがいい」と考える人も少なくありません。
2.「逃げる」は身を守るための正常な反応
困難な場面に直面して強力なストレス刺激を受けたとき、「逃げる」という選択が出来ることは自己防衛反応が正常に働いている証拠です。身を守るためのごくごく自然な反応です。決して甘えなどではありませんし、悪者でもありません。
3.問題のある労働環境からは一刻も早く逃げるべき
最近は「働き方改革」や「コンプライアンス」などの言葉をよく聞くようになり、労働環境も改善される傾向にあります。しかし、そもそもそういった言葉が頻繁に話題に上がるということは、問題のある会社が多いということです。
逃げずに立ち向かった結果どうなるか
1.心身にストレスが過剰に溜まる
たしかに、逃げずに立ち向かうことは大切なことです。
また、適度なストレスは脳の活性化や健康の維持にも役立ちます。適度なレベルのストレスがかかった状態では、気力が高まり、明晰さが増し、状況をより正確に把握できるようになると言われています。
そして、完全にストレスゼロで働ける仕事はほとんどないので、その意味では「仕事は辛くて当たり前」なのですが、心身が追い込まれるほど辛いと感じているなら話は別です。
ストレスの溜めすぎは悪い結果しか生みませんので、立ち向かうにしてもほどほどのところで撤退することが大切です。たとえば、ハラスメントや職場いじめがある場合にまで「仕事は辛くて当たり前」の一言で片づけてしまうのは間違っています。
劣悪な環境が今後も改善されることが見込めないのであれば、早々に辞めてしまうのが賢明です。
2.有限な人生の時間を無駄に消費する
人生や時間はお金では買えません。
すべての人に平等に与えられた唯一のものが「時間」です。
たった一度の貴重な人生なのに、我慢しながら会社勤めすることで、時間を無駄に消耗してしまってはもったいないです。
今はもったいないと感じていなくても、いずれ歳をとって人生の残りの時間を気にするようになったとき、きっと、無駄に消耗した時間を後悔する瞬間がやってきます。
過ぎ去った過去を後悔しても、時間は取り戻せません。
3.チャンスを失う
イヤイヤながら仕事をしても、モチベーションは上がらないし、良い結果も出るはずがありません。
「モチベーションが上がらない⇒良い結果が出ない⇒評価されない(給料が上がらない)⇒メンタルを消耗する」の繰り返しで、負のスパイラルに陥っていきます。
我慢の先に明るい未来が待っているとは限りません。
- 会社内での評価が下がる
- 狭い業界なら評価が外部にも知れ渡る
- 年月が経ち、あなたの年齢が上がる
など、我慢すれば我慢するほど、選択肢やチャンスがどんどん狭まっていきます。
逃げるが勝ち
逃げることは立派な戦略の一つです。
一見して負けて後退しているように見えても、最終的に勝利を手に入れればそれでいいのです。自分が不利な争いや、勝っても何の利益にならないような争いでは、逃げ出した方が最終的に得をすることも多いです。
三十六計逃げるに如かず
そもそも「逃げること」は立派な戦略です。
この点、『三十六計逃げるに如かず』という有名な諺がありますが、この言葉は『兵法三十六計』の最後が『走為上』であることから来ています。
『兵法三十六計』では戦況のレベルを6段階に分けてそれぞれのシチュエーションで6計ずつ戦略を挙げていますが、第6段階の最後が『走為上』。「万策尽きたときは逃げるのが最善の策である」という意味です。
- 第1段階の6計は、自分が戦いの主導権を握っている場合の作戦
- 第2段階の6計は、余裕をもって戦える場合の作戦
- 第3段階の6計は、相手が一筋縄ではいかぬ場合の作戦
- 第4段階の6計は、相手が手強い場合の作戦
- 第5段階の6計は、同盟国間で優位に立つための作戦
- 第6段階の6計は、敵が圧倒的に強い場合の作戦
相手に到底敵わないと思った時や困った時は、あれこれ戦略を考えるよりも逃げることが一番の得策だという意味です。負けると分かっているときは自分の身の安全を最優先すべきなのです。
兵士や領土などの貴重な資源を失うよりも、兵士や領土を守るため一旦逃げることは、立派な戦略です。
三英傑も戦で逃げた経験がある
戦国時代、天下統一へと導いた三英傑(織田信長・豊臣秀吉・徳川家康)でさえも、戦で逃げた経験のある武将です。(特に織田信長の「金ヶ崎の戦い」は戦国史上最も有名な撤退戦ですし、徳川家康も生涯最大の負け戦「三方ヶ原の戦い」での敗走が有名です)
無謀な戦いを避けたり、潔く逃げることも戦略のうちです。逃げることができれば、一旦勝負をお預けにして、自陣を立て直すことが出来ます。身を引いて一旦退き、機会を見て、後日再び勝つための行動を起こせば良いのです。
逃げてもいい!ただし判断は慎重に
今や、立ち向かうことを強要される時代ではなくなりつつあります。
しかしながら、逃げてしまえば、苦しみから解放されて楽になる反面、同時に失うものもあります。同じ逃げるにしても、逃げるタイミングや逃げた後の行動次第で未来は大きく変わります。
特に、逃げることによって「得るもの」と「失うもの」のどちらが大きいのかは、自己責任でしっかりと見極める必要があります。「逃げるな」と言われて従ったからといって、失敗したときに責任を取ってもらえるわけではありません。
- 一定期間続けてみないと判断できないこともある⇒よく考えてから決める
- ピンチはチャンスであることもある⇒冷静になって落ち着いて判断する
- 逃げたことからも学ぶ⇒また同じ状況に陥ることがないように教訓として活かす
- 一人で悩む必要はない⇒相談に乗ってくれる人や協力してくれる人など味方を増やす
繰り返しになりますが、逃げてもいいです!
ただし、判断は慎重に行いましょう。
今すぐ逃げるべき人の特徴
特に「ブラック企業で働いていて精神的にまいっている/このままだと体調を崩してしまいそう」という人には、今すぐ辞めることを強くオススメします。
心身に不調がある場合は、出社したりコミュニケーションをとったりすること自体が困難といえます。そもそも正常な判断が出来る状態とは言えないこともあります。さらに、無理して職場に出向くことで負担がかかり病状の悪化につながりかねません。
与えられた環境で頑張ることは素晴らしいことですが、「頑張ること」と「ストレスを溜めながら我慢すること」は違います。
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