あまりに辛いなら、たとえ新人研修中だとしても、退職をためらってはいけません。
今日は、新人研修中や、新人研修が終わったばかりの段階で「会社を辞めたい!」と思っている人に向けて書きます。配属前に退職することになったとしても、恥じる必要はありません。むしろ、早い段階で「この会社では働き続けられない」と気付けた事はとても幸運なことですよ。
新入社員が新人研修中に「もう辞めたい」と思う理由4選
1.生活リズムの変化によるストレス
ゆとりのある学生生活からシビアな社会人生活へと、生活リズムが急に切り替わったことにより、ストレスを感じる新社会人も少なくありません。
たとえば、寝坊が許された学生時代とは異なり、社会人は出勤時間にシビアです。
さらに、人によっては、休憩が学生時代よりも少なくなるので、変化に対応できないことによりストレスを感じることがあります。
具体的にいうと、大卒・院卒の場合は90分の講義に慣れていますが、高卒や専門学校卒では、学校の授業が45分~50分であることが多いので、大卒・院卒に合わせて休憩時間を設定してしまうと、90分間の集中力が持たないケースが多々あります。
理解のある会社であれば、少しずつ研修をペースアップさせていくのですが、そういう会社ばかりとは限りません。生活リズムの急激な変化に対応できないと、大きなストレスを抱え「もう辞めたい!」と思うきっかけになります。
2.新しい人間関係によるストレス
人間関係が上手く構築できない場合にも、新人研修がキツイと感じます。
学生生活では、一緒にいて楽しいと思える人や居心地が良いと思える人と友達になり、共に過ごすことが出来ました。しかし、社会人になると、関わる人を自分で決めることはできません。
同期たちは同じ新入社員だとしても、性格や趣味などの共通点があって集まった人たちではありません。知らない人や不慣れな人たちも沢山います。中には苦手なタイプの人もいるでしょう。
また、学生と社会人とでは、信頼関係の築き方も違います。学生の場合は、長い間一緒にいることで友情や信頼を深めていくことが多いですが、社会人になると、限られた時間で信頼関係を築く必要があります。
人間関係が上手く構築できなくて孤立感を味わったり「もう辞めたい」と思ったりする人も多いです。
3.覚えることが多すぎる
研修期間中に覚えることが多すぎる場合も、会社を辞めたくなります。
学生時代には、「次の試験までに覚えればいい」という考え方が許される場合もありますが、社会人になると、短期間に集中して覚えなければならないことが沢山あります。業界・業種によっては、膨大な知識を必要とされることもあるでしょう。
そうすると、これまでほとんど触れてきたことない知識を一気に教わり、頭がパンクしてしまう人もいます。
また、一から十まで手取り足取り教えてもらえるのは学生時代まで。社会人になると自分の頭で考えなければならないことが一気に増えます。
覚えることが多すぎてついていけなくなり、挫折感を味わうと「もう辞めてしまいたい」となるのもなんだか分かります。
4.指導する研修担当者が厳しい
研修担当者が厳しいと辞めたくなる新人も多いです。
研修担当者に対して「この人とはあわない」「質問や相談がしにくい」と感じてしまうと、研修への参加意欲や仕事へのモチベーションが格段に落ちていきます。
- 大声で怒鳴る
- 皆の前で公開説教する
- 些細なミスをネチネチと執拗に責める
など、必要以上に厳しいと、辞めたくなっても仕方ないですよね。
新入社員が新人研修中に辞めるデメリット2つ
1.職歴に傷がつく
新人研修中ということは、まだ入社して間もない時期ということです。この時期に退職すると、次のような面白い履歴書が出来上がってしまいます。
年 | 月 | 職歴 |
2023 | 4 | 株式会社〇〇 入社 |
2023 | 4 | 株式会社〇〇 一身上の都合により退職 |
現在に至る |
なお、わざと履歴書に書かない選択肢を取ることは、バレたときに経歴詐称で非常に面倒くさいことになる可能性が高いため、オススメしません。履歴書は漏れなく正直に書きましょう。
2.転職の際にマイナス評価となるリスクがある
新人研修の期間中に辞めることは「根性ナシ」の印象がつきやすく、転職で不利になる可能性があります。採用担当者に「うちの会社で働き始めてもすぐに辞めてしまうのでは?」という不安を与えやすくなります。
- 自分の未熟さゆえに、自己分析が不十分で、不向きな会社を選んでしまった
- どうしてもこの業界で働きたくて、身勝手ながら進路変更して御社を志望した
- 前の会社には申し訳ないことをしたが、反省を活かして今度こそ長く勤めたい
等、ネガティブなイメージをポジティブに変換できるくらいの誠意と熱意がある退職・転職理由があれば強みになります。「そういう理由なら仕方ないなぁ」と面接官を納得させることが出来れば、全く問題はありません。
新入社員が新人研修中に辞めるメリット5つ
1.ストレスから解放される
たとえ入社して間もなくても、新人研修中であっても、会社でのストレスが過度な負担となるケースがあります。人間関係が原因で悩むこともあるでしょう。
強いストレスを感じながら無理を続けると、心身を壊して働けなくなってしまうこともあります。一度心身を壊すと、回復するのにとても時間が掛かります。手遅れになる前に脱出するのは賢明なことです。
2.退職のハードルが低い
新人研修中は、まだ責任ある仕事を任される前のため、引き継ぎの手間がかかりません。
また、新人研修中は、まだ職場の人との付き合いも浅いです。
職歴が長くなるほど人との付き合いが深くなり、職場だけでなく取引先や顧客などとの繋がりが広がっていきます。人間関係が深まるほど「自分が辞めると迷惑をかけてしまう」など辞めにくい状態になるでしょう。
どうせ辞めるつもりなら、人間関係が深まる前に退職してしまった方が、退職するときの後ろめたさを強く感じなくて済みます。
3.第二新卒枠が狙える
第二新卒とは、学校を卒業して就職後、3年以内に転職を希望する人のことです。
第二新卒の需要が高まっており、第二新卒を欲する企業も沢山存在します。
- 第二新卒なら基本的なビジネスマナーは身についている(一から教える必要がない)
- 前の会社での在職期間が短いゆえに、柔軟性にも優れており、新しい会社に馴染みやすい
- 社会人になって日が浅く、フレッシュさがある
- 新卒者と同じように熱意を強く持っている
もし、ビジネスマナーを教育される前に退職したとしても、自分で勉強することが出来るので大丈夫です。「前職で最低限のビジネスマナーは学びました!」とアピールしておけば何とかなります。
4.早く再出発できる
転職活動は少しでも年齢が若い方が有利です。
また、若いほど「失敗は成功のもと」という言葉で片づけてもらいやすいです。どんなに失敗してもいくらでも軌道修正して次のステップを踏み出すことができます。
5.時間が無駄にならない
「仕事を辞めたい」という気持ちのまま働き続けても、スキルアップは難しいです。
合わない仕事を無理に続けていても、成果が出ないまま、ずるずると時間だけが経過し、同期たちにもどんどん差をつけられていきます。実力の差が開いていくことは昇進や昇給に直結していくので、大きく出遅れてしまうと仕事の意欲もなくなっていくことでしょう。
どうしても合わないなら、さっさと見切りをつけて次の会社に移ることも大切です。
逃げた方がいいヤバイ新人研修5選
「ストレス耐性をつけるため」などの理由で少々厳しい研修を受けさせる企業は多いですが、厳しさも度を超すとただのヤバイ研修です。
これから「こんな研修をする会社は辞めるべき」というヤバイ研修内容を紹介していきます。もし、今あなたが次に挙げるような研修を受けているのなら、本気で退職を検討するべきです。
1.人格否定をされる新人研修
人格を否定するような研修からは、すぐに逃げるべきです。
- 自分の短所ばかりを30個以上書かされる
- 1人ずつ前に出て、大声で何度も復唱させられる
- 長時間に渡って、人格否定の言葉や罵声を浴びせ続けられる
- ひたすら「この度は誠に申し訳ございませんでした!」と土下座をさせられる
などなど。
- 社員の心をへし折って自我を崩壊させる
- 会社の都合の良い人格になるように、徹底的に洗脳する
- 会社の言いなりになったら褒める
というのが、ブラック企業の常套手段です。
こうやって「このつらい研修を耐え抜いたのだから、どんなつらい仕事も頑張れる」と洗脳された結果、不当な扱いでも文句を言わずに馬車馬のように働く人材が出来上がります。
2.連絡手段を取り上げて軟禁状態で行う新人研修
人里離れた場所で、スマホなど外部との通信手段を取り上げて新人研修を行う会社も、辞めた方がいい会社です。
「研修に集中させるため」などのもっともらしい理由で通信手段を取り上げて、嫌になっても簡単には帰れないような場所で、家族や友人とも連絡を取れないようにします。
実際は、逃げたり誰かに相談することを防いでいるのです。
つまり、「誰かに相談されたら困るような研修内容」だということ。その研修で後ろめたいことをしているということのあらわれです。「社内の機密が漏らされたら困る」とか公言して外部との連絡を絶たせている会社は相当ヤバイです。
3.労働基準法に違反している新人研修
労働基準法に違反するような新人研修をする会社は、問答無用で辞めるべきです。
- 長時間労働
- 時間外労働
- サービス残業
研修期間に労働基準法を守らない会社では、ほぼ間違いなく、その後も劣悪な職場環境が待っています。新人研修が終わっても、ずっと劣悪な環境下で違法な労働を強制されます。
4.街中で無差別に名刺交換させる新人研修
「新人研修の一環で、名刺を100枚交換しないと帰れないんです!」というヤバイ会社。
「かわいそう」と協力してあげると、大概、名刺交換したよく分からない会社から不動産投資などの営業電話がかかってきたりします。
そもそも、無差別に名刺交換させる理由は、時代錯誤なものばかりです。
- 個人情報を集める
- 新人に度胸をつける
今の時代、個人情報の管理が徹底されていて、コンプライアンスもうるさいので、まともな会社はむやみやたらに名刺をバラ撒くようなことはしません。(⇒街中で名刺交換をお願いしてもまともな会社の人なら応じません)
この手の研修を新入社員に課している会社は、自らの目的達成の為なら見ず知らずの無関係の人に迷惑をかけても構わないと考えている会社です。こんなブラックな会社は辞めてしまいましょう。
5.そもそも新人研修がない
そもそも新人研修が存在せずいきなりOJTから始まるパターンのヤバイ会社もあります。
「OJT」(On the Job Training=現場で実務を体験させながら仕事を覚えてもらう教育手法)の名目でいきなり現場に投入され、「背中を見て覚えろ」「仕事は自分で探せ」と放置されるケースです。
それなのに、ミスをすると「常識がない」「努力が足りない」と怒られます。
退職を申し出て研修費用を請求されたときの対応
新入社員が退職を申し出ると、「採用や研修にかかったお金を返せ」「(働くことを前提にして研修を受けさせてあげたのだから)辞めるのならば、研修費用は自分持ちで当然だ」などと会社側から言われることがあります。
結論から言うと、研修費用を負担する必要はなく、たとえ新人研修中や研修が終わった直後に会社を辞めたとしても、研修費用の返還は不要です。
会社からの請求に応じてはいけない
原則として、あなたが研修費用を負担する必要はありません。拒否の意思は明確に示しましょう。会社に従って支払ってしまうと後で取り戻すのに手間やコストがかかります。
ブラックな体質の会社ほど、不当な扱いを押しつけ、搾取しようとしてきます。「研修費用を払わないなら退職させない」と言われても絶対に応じてはいけません。
研修費用の返還に応じなくてもよい理由
労働基準法16条
労働基準法16条は、次のとおり「賠償額の予定の禁止」を定めています。
労働基準法16条
使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。
たとえば、「退職した場合には研修費用は労働者の負担とする」といった定めが雇用契約書や就業規則に盛り込まれていたとしても、労働基準法に反し、無効です。
民法627条
正社員の場合、民法627条1項のルールに従って意思表示をすれば、たとえ会社が拒否しても、2週間の経過によって一方的に退職をすることができます。
民法627条1項
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
※説明は省略しますが、契約社員の場合でも勤続1年以上か、やむを得ない事情があれば辞めることが出来ます。
たとえば、あなたが退職の意思を示しているのに「研修費用を返すまで退職させないぞ!」と退職を妨げることは許されません。
日本国憲法22条第1項
憲法22条第1項では、職業選択の自由が認められています。 言い換えれば、退職することも憲法で保障された権利だと言えます。
日本国憲法22条第1項
何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択 の自由を有する。
そもそも、退職させずに無理やり引き止めて働き続けるよう強制することは、憲法22条が認める「職業選択の自由」の趣旨にも反する、とても悪質な行為と言えます。
退職を希望するなら一日でも早く伝えるのがベスト
辞める意思が固まっているのなら、一日でも早く退職の意思を伝えるのがベストですが、新人研修中、または新人研修が終わったばかりで、しかもその新人研修の内容がブラックだった場合は、会社に退職を申し出るなんてとても勇気がいることでしょう。
どうしても自分で退職を言い出すことができない場合や、引き止められたときに意思を貫ける自身がない場合は、退職代行サービスへ相談してみることが、脱出への近道となるかもしれません。
(退職代行サービスを利用する新入社員の人、結構多いですよ)
そもそも、新人研修を受けてみた段階で既に「会社を辞めたい!」と感じる場合、ブラック体質の会社であるケースも少なくありません。そのため「この会社はヤバそう」という場合は、弁護士が提供する退職代行サービスに相談するのが無難です。
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