結論から言うと、試用期間中の退職は恥じなくてもよいです。
なぜなら、どんな人にも向き不向きがあり、入社して仕事をしてみないと自分に合うか分からない部分も大きいからです。(⇒「適材適所」についてこの記事で書いています)
また、働く気がない人を雇用し続けるのは会社にとってもデメリットが大きいので、辞めるのであれば、この試用期間中に退職するのが双方にとって一番良いタイミングかと思います。
試用期間中の退職について順を追ってご説明していきます。
試用期間は本採用を前提としたお試し期間
試用期間とは
試用期間は、企業が労働者の適性を見極めるための期間です。
入社試験(筆記試験・面接)だけでは確認しにくい人格や職務適性などを見極めるために試用期間があります。企業は試用期間中の勤務態度やスキルなどを見て、本採用するか否かを決定します。試用期間として1カ月~3カ月を設けるところが多く、長いところでは1年間という企業もあります。
試用期間中の待遇
試用期間中の待遇は、基本的には正社員と同じです。
試用期間中は、本採用後よりも給与が低い場合もありますが、雇用保険や健康保険など各種社会保険への加入は試用期間中であっても義務づけられており、残業代もきちんと支払われます。
「能力が企業側が求める水準に満たなかったり、試用期間中に大きなミスをすると解雇される」というイメージを持っている人もいるかもしれませんが、実際には企業側は不当な理由で解雇(本採用見送り)することはできません。(※解雇するための正当な理由は、経歴を詐称していたり、無断欠勤など著しく勤務態度に問題がある場合などに限られます)
試用開始14日以内に解雇する場合は、即時解雇してもいいことになっていますが、試用開始後14日を超えれば、30日前の解雇予告または予告手当の支払いが必要になってきます。
退職についても、正社員と同様、就業規則等で定められている期間より前に申し出を行う必要があります。(※法律上は、試用期間中の退職は2週間前=14日前までに申し出れば退職の効果が発生しますが、社内規定がある場合は、社内規定に従うのが無難です)
そのため、試用期間中に辞めたくなったとしても、即日で辞めることは原則としてできません。
試用期間中に退職する場合の理由4選
いくら試用期間中の退職が認められているとしても、会社への不平不満などネガティブな理由を伝えてしまうと、トラブルに発展して退職しにくくなる可能性もあります。上司の気分を害さず、引き止められにくい退職理由を選んで円満退職するのがベターです。
1.知らされていた業務と実際の業務にギャップがある
「入社前に知らされていた業務内容」と「実際に任されている業務内容」が異なる場合です。「求人情報と実際の労働条件が違う」ケースの他、「希望の部署に配属されなかった」ケースや「イメージしていたものと違う」ケースがあります。
この点、求人情報に嘘の情報を記載することは禁じられています。求人情報の条件と実際の労働条件に相違があって正当な理由の説明も受けられない場合は退職してしまった方が無難です。
また、「苦手を克服してスキルアップをする」という考え方も大切ですが、心身の健康が保てないほどに苦痛を感じるのであれば、耐え忍ぶ必要はありません。退職しましょう。
2.社風や人間関係が合わない
「社風が合わない」「同僚との人間関係がうまく行っていない」などの理由です。
馴染めるように努力してみることは大切ですが、ストレスのあまり心身に影響が出るようなら、退職も視野にいれましょう。会社側が部署異動などを提案してくれる場合もあるので、提案を聞いた上で判断しても良いでしょう。
3.体調不良で業務遂行が困難
「仕事がきつくて体力がついていかない」「精神的に追い詰められて鬱病を発症した」などの理由で業務遂行が困難になる場合があります。
無理に働き続けると長期療養が必要になったり、最悪の場合は取り返しのつかない事態になってしまう可能性があります。体調や精神に異常をきたしている場合は、症状が深刻にならないうちに退職しましょう。
通院している場合は、診断書を出したり、医師からどのような助言があったかを伝えたりすると、スムーズに理解してもらいやすいです。
4.家庭の事情
「両親が急に体調を崩したので家業を継がねばならなくなった」「介護が大変で仕事との両立が大変になった」などの退職理由があります。
家庭の事情が理由の場合は、試用期間中であっても、比較的スムーズに退職話を進めやすい傾向にあります。余計な詮索や引き止めがなく、円満退職しやすいため、建前の理由として「家庭の事情」を使う人も多いです。
早く辞めるべき会社の特徴
別記事「早く辞めた方がいいヤバイ会社の特徴42選」で、見切りをつけて早く退職した方が良い会社の特徴をご紹介しています。
試用期間中の「なんだか合わない気がする」という直感は、意外と間違っていません。
与えられた環境で頑張ることは素晴らしいことですが、「頑張ること」と「ストレスを溜めながら我慢すること」は違います。
あなたに合った会社を見つけて、充実感を味わいながら働けることをお祈りしています。
試用期間中に辞めるデメリット
転職の際にマイナス評価となるリスクがある
試用期間中に仕事を辞めた場合も、職歴として履歴書に記載する必要があります。
在籍期間が短すぎるため、「うちの会社で働き始めてもすぐに辞めてしまうのでは?」という不安を与えやすいです。仮に履歴書に書かずに後々判明してしまった場合は、最悪「経歴詐称」と捉えられる可能性もあります。
ただ、「自分の未熟さゆえに自己分析が不十分で、不向きな会社を選んでしまった」「前の会社には申し訳ないことをしたが、反省を活かして今度こそ長く勤めたい」等マイナスイメージをプラスに変換できれば、逆に強みになります。
試用期間中に辞めるメリット
1.ストレスから解放される
たとえ入社して間もなくても、試用期間中であっても、会社でのストレスが過度な負担となるケースがあります。人間関係が原因で悩むこともあるでしょうし、慣れない業務に悩むこともあるでしょう。
強いストレスを感じながら無理に働き続けると、心身を壊して働けなくなってしまうこともあります。一度心身を壊すと、回復するのにとても時間が掛かります。手遅れになる前に脱出するのは賢明なことです。
2.退職のハードルが低い
試用期間中は責任のある仕事を任されることが少ないため、引き継ぎをする手間がかかりません。
また、試用期間中はまだ職場の人との付き合いも浅いです。
職歴が長くなるほど人との付き合いが深くなり、職場だけでなく取引先などとの繋がりが広がっていきます。人間関係が深まるほど「自分が辞めると迷惑をかけてしまう」など辞めにくい状態になるでしょう。
どうせ辞めるつもりなら、人間関係が深まる前に退職してしまった方が、退職するときの後ろめたさを強く感じなくて済みます。
3.(新卒3年以内なら)第二新卒枠が狙える
第二新卒とは、学校を卒業して就職後、3年以内に転職を希望する人のことです。
若手不足などから第二新卒を求める企業も多く存在します。実際に、第二新卒の需要が高まっており、市場価値も高くなっていると言えます。
その理由は、第一に、第二新卒なら、新人研修を受け終わっていて基本的なビジネスマナーを身につけており、一から教える必要がないので、研修や教育の手間も省けると期待されているからです。
また、以前の会社での在職期間が短いゆえに、柔軟性にも優れており、新しい会社に馴染みやすいところも第二新卒が人気の理由です。
さらに、第二新卒は社会人になって日が浅く、フレッシュさがあって、新卒者と同じように熱意を強く持っている人が多いです。第二新卒には、スキルよりも仕事への意欲が求められています。
4.早く再出発できる
転職活動は少しでも年齢が若い方が有利です。
また、若いほど「失敗は成功のもと」という言葉で片づけてもらいやすいです。どんなに失敗してもいくらでも軌道修正して次のステップを踏み出すことができます。
5.時間が無駄にならない
「仕事を辞めたい」という気持ちのまま働き続けても、スキルアップは難しいです。
合わない仕事を無理に続けていても、成果が出ないまま、ずるずると時間だけが経過し、同期たちにもどんどん差をつけられていきます。実力の差が開いていくことは昇進や昇給に直結していくので、大きく出遅れてしまうと仕事の意欲もなくなっていくことでしょう。
どうしても合わないなら、さっさと見切りをつけて次の会社に移ることも大切です。
試用期間中に辞めて転職する際に気をつけること
次に転職する会社は慎重に選ぶ
再就職先を探す際には、企業研究・自己分析を十分に行って、自分に合った職場を見つけましょう。
転職回数や在職期間だけで採用の可否を判断することは少ないですが、あまりに短期間に退職を繰り返してしまうと、選考に不利になることがあります。「ジョブホッパー」のレッテルを貼られ、「一つの仕事を長く続けられない」などのネガティブなイメージを抱かれやすくなります。
試用期間中に退職を希望するなら一日でも早く伝えるのがベスト
どんな人にも向き不向きがあり、入社して仕事をしてみないと自分に合うか分からない部分も大きいため、試用期間中に退職することになったとしても、恥じる必要はありません。むしろ、早い段階で「この会社では働き続けられない」と気付けた事はとても幸運なことです。
辞める意思が固まっているのなら、一日でも早く退職の意思を伝えるのがベストですが、入社間もない試用期間中、新入社員の立場では退職を言いづらいというのが現状のようです。試用期間中・研修期間中に退職代行サービスを利用する人も結構います。
退職代行サービスとは、あなたに代わって退職の手続きを代行してくれるサービスです。退職代行を使えば、会社に出社したり、上司と直接話したりすることなくスムーズに辞めることが出来ます。
試用期間中に会社を辞めたいと感じる場合、ブラック体質の会社であるケースも少なくありません。そのため「この会社はヤバそう」という場合は、弁護士が提供する退職代行サービスに相談するのが無難です。
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