環境が変わった直後の大型連休であるゴールデンウィークが明けた時期は、五月病も重なってとても辛く、「仕事を辞めてしまいたい」と思う人が急増する時期です。
そこで、今日は、ゴールデンウィークと退職について書きます。
ゴールデンウィーク明けに多い退職理由
新入社員に多い退職理由
4月は、新卒採用・中途採用で入社する新入社員が1年で最も多い月です。そして、入社したばかりの新入社員でも、ゴールデンウィークを迎える頃に「仕事を辞めたい!」と考える人が一定数います。
- 1ヶ月働いてみてミスマッチを感じた
- 実際に働いてみたら肉体的/精神的にキツイと感じた
- バーンアウトした(燃え尽き症候群)
(会社に入ることを目標に頑張ってきた人が、入社実現で目標を失った)
という理由が多いようです。
既存社員に多い退職理由
ゴールデンウィーク明けに辞めたくなるのは、新入社員だけではありません。既存社員にとっても変化の時期。4月は異動などで新しい仕事を割り当てられたり、人間関係に変化が生まれる月です。
- 新しい部署が嫌だ
- 役職(ポジション)が気に入らない
などの理由から退職・転職を考え始める人も多いです。
何故ゴールデンウィーク明けに退職する人が多いのか
ゴールデンウィークなどの大型連休明けに「仕事を辞めたい」と感じるのには、大型連休ならではの理由があります。
1.現実逃避したくなるから
ゴールデンウィークなどの大型連休明けになると「仕事に行きたくない」という人は多いですが、そもそもこれは、ごくごく普通な感情です。
大型連休の間、仕事を忘れて充実した時を過ごしていた人ほど、「仕事が嫌だ」「仕事に行きたくない」「もう仕事を辞めてしまいたい」という反動が大きいです。
連休中の数日間は、好きな時間に起きて、気の向くままに好きなことをして過ごせます。翌日のことを気にせずに眠れます。ノルマを気にしたりプレッシャーを感じる必要もありません。仕事から解放されて「このままの生活がいい!」「シビアな環境にもう戻りたくない!」と思うこともあります。
また、帰省して、都心のせかせかした生活から離れ、ゆったりした田舎の生活を味わい、地元の魅力を再確認したことで「仕事を辞めたい」という気持ちが湧く人もいるかもしれません。
充実した時間を過ごせば過ごすほど、現実には戻りたくなくなるものです。
2.友人などと情報交換をする機会が増えるから
ゴールデンウィークなどの大型連休には友人と会う人も多いです。そして、友人の話を聞いていて、自分の会社に疑問を感じたり、待遇差に驚いたりして、退職や転職を検討することがあるかもしれません。
同級生たちと会って情報交換をしながら、自分の労働環境が「恵まれていない環境」だと気づいたり不満が生まれて「会社を辞めたい」「もっといい会社で働きたい」と思ってしまうのです。
また、「お前、顔色悪いぞ。大丈夫か?」などと心配されて初めて自分の会社がブラック環境だったことに気づく人もいます。
3.ゆっくり考える時間の余裕があるから
ゆっくり過ごす時間があると、仕事について振り返る時間を持つことができます。
仕事に追われてバタバタ過ごしていた時にはなかった余裕が生まれ「本当にやりたいことは何だろう」と自分を見つめ直す機会にもなります。忙しいことを理由に目を逸らしてきた問題について改めて考える直すこともあるでしょう。
- この仕事は本当にやりたいことだろうか?
- この業界に将来性はあるだろうか?
- 自分にはもっと輝けるステージがあるのではないか?
慌ただしい仕事の日々では考える余裕もなかったことをじっくり考える機会がある大型連休は、退職・転職のきっかけになることも多いのです。
4.ゴールデンウィーク中に仕事だった人が不満を感じるから
大型連休を楽む人がいる反面、同じ大型連休期間中でも働き続けている人がいるという事実も忘れてはいけません。
上記の1~3はゴールデンウィーク中にお休みできた方々のお話ですが、ゴールデンウィーク明けに「仕事を辞めたい」という気持ちになるのは、休暇を楽しんだ人だけではありません。
世間の空気が「お休みモード」にある時に働くのは虚しいもの。「周りは皆連休を楽しんでいるのに、なぜ自分だけ働かなければならないのか」ゴールデンウィーク中に休みなく働いていた人も退職・転職を考えることがあります。
- デパートやスーパー、飲食店などのサービス業の人
- テーマパークや旅館・ホテルなどの観光業の人
- 鉄道、バス、飛行機などの公共交通機関で働く人
- 電気やガスなどのインフラ系を支える人
- 警察官や消防官などの公安系の公務員
- 総合病院や緊急医療機関、介護施設で働く医療従事者や介護職員
…などなど。挙げたらキリがありません。他人の楽しみのために頑張って働いている方々が大勢いるということに対して感謝の気持ちを忘れずにいたいものです。
自分の本音が見えるゴールデンウィーク
大型連休中にゆっくり休めている人は、日頃の疲れが癒えていて、心身共に健康な状態ですので、その時に思っていることは本来の自分の本音だと言えます。心身共に健康な状態で考える内容は、たいてい正常な判断です。
一方で、連休明けの仕事のことを考えて泣いてしまったり、どうしようもないくらい憂鬱になってしまったりする場合は、既に病んでいる可能性が高いです。
「辞めたい!」と思ったら早々に辞めてしまうのが賢明かもしれません。
2023年ゴールデンウィーク明けには退職希望者が増える
ここまででご説明してきた通り、そもそもゴールデンウィークなどの大型連休が明けるタイミングはただでさえ退職者が増える傾向にあります。
それに加え、ゴールデンウィーク明けに新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に引き下げられる2023年は、在宅勤務からオフィス勤務へ戻す企業が増えたり、パーティションやアクリル板、飛沫防止シールドが撤去されるなどの環境の変化があったりします。会食や出張も増えます。
そのため、退職希望者が増えるのではないかと簡単に想像がつきます。
また、5類への引き下げは、医療現場への影響が大きいため、忙しさのあまり「辞めたい」と思う医療従事者も急増するのではないかと思います。
特に、これまでコロナ患者を受け入れてきていなかった医療機関では、対応方法を検討したり、受け入れ態勢を整えたり、マニュアルを作成したりとやるべきことが山積みです。
ゴールデンウィーク明けに辞めることは悪いことではない
冒頭でも書いた通り、ゴールデンウィークが明けた時期は、五月病も重なってとても辛く、「仕事を辞めてしまいたい」と思う人が急増する時期です。
そして、ゴールデンウイーク中に「仕事を辞めたい」と退職・転職を決意することは悪いことではありません。
たしかに、ゴールデンウィーク明けに会社を辞めるのは、時期としてみれば早い方だと思います。特に、新入社員の場合は「早すぎる」という印象を持たれがちです。
とはいえ、会社は辞めたい!と思ったときに辞めるべきです。「早い遅い」なんて関係ないです。先延ばしをした分だけ時間を無駄に過ごすことにもなりますし、ストレスを溜め込みすぎた先にあるものは「うつ病」や「適応障害」などの精神疾患です。
世の中には「最初から天職に就けた」「何の不満もないほど恵まれた会社に巡り合えた」という幸運な人もいますが、そうではない人もいます。どんな人にも向き不向きがあり、入社して仕事をしてみないと本当に自分に合うかどうか分からないことも沢山あります。
人間は、適した環境でなければ能力を発揮できません。(⇒「適材適所」)
仕事や環境が「自分の理想と合っていない」と感じるのであれば、早めに軌道修正すればいい、むしろ早めに軌道修正して次のステップを踏み出した方がいいと、私は思います。
ゴールデンウィーク明けは転職のチャンス
実は大型連休明けは、求人が豊富なため、辞めるにはちょうどいい時期です。
2月、6月、9月に求人が多いのには、大型連休が関係しています。
2月 | 年末年始休暇明け |
6月 | ゴールデンウィーク明け |
9月 | 夏休み明け |
ゴールデンウィーク明けからは求人数が増え始めます。新人研修も一段落するので、人事や採用担当者が「既卒」「第二新卒」の採用にむけて動き始めるのも、ゴールデンウィーク明けの特徴です。
何もかも嫌な時は退職代行を使おう
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